公立千歳科学技術大学は、光技術を専門とする世界で唯一の単科大学です。本学の光サイエンスに関する専門性や研究内容を産業の活性化に役立てる「バイオ・材料イノベーション」を目指しています。
本学の光技術に関する研究分野は、「電子・光を制御する新規ナノデバイス」の創製や評価だけではなく、「有機分子・無機セラミックス、バイオ材料」の合成・分析やその応用、更に「食品・環境」分析などの多岐にわたっています。
2012 年度から開始された 「文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業」は、ナノテクノロジーに関する最先端の研究設備とその活用のノウハウを有する25 機関38 組織が緊密に連携して、「微細構造解析プラットフォーム」、「微細加工プラットフォーム」及び「分子・物質合成プラットフォーム」の3つのネットワークと「センター機関」を構成し、全国的な設備の共用体制を共同で構築するものです。
本事業を通じて、産学官の多様な利用者による設備の共同利用を促進し、産業界や研究現場が有する技術的課題の解決へのアプローチを提供するとともに、産学官連携や異分野融合を推進します。
我が国のナノテクノロジー関連化学・材料分野は他分野に比べて世界的に高い水準を有しており、これを維持向上させることが、我が国の科学技術とこれを基盤とした産業の発展に不可欠です。現状の経済情勢や震災復興の必要性に鑑みれば、各研究者が高価な設備を購入することなく最先端機器を活用し、次世代を担う素材の開発研究が行える、全国規模の共用設備ネッ
トワークの構築が必要です。
本プラットフォームは、ナノテクノロジー分子・物質合成に要求される先端機器群を供給し、産官学の研究者に対して、また、設備利用に留まらず、合成に関するノウハウの提供、データの解析等も含めた総合的な支援を実施します。また、10 年にわたって最先端研究ニーズに応えるため、成果公開型支援だけでなく、成果非公開型支援も積極的に行い、そして、利用者の成果が新しい利用者を呼び、全国から多くの先端研究者が自ずから集う先端ナノテク分子・物質合成拠点を形成し、支援者と利用者双方の特に若手を育成できる環境を構築します。
分子・物質合成プラットフォームは、北海道から九州に分布する、公立大学法人公立千歳科学技術大学、国立大学法人 東北大学、独立行政法人 物質・材料研究機構、国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学、国立大学法人 信州大学、国立大学法人 名古屋大学、国立大学法人 名古屋工業大学、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構、国立大学法人 大阪大学、国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学、および国立大学法人 九州大学の11 機関から成り、各実施機関は近隣の大学・公的機関・民間企業の共用を支援し、また、それぞれが特徴を活かして他機関では実施できない先端技術支援を全国規模で展開していきます。さらに、プラットフォーム内の複数の機関相互や他のプラッフォームとの協力、あるいは国内の大型先端研究施設との連携等も含めて、 単なるひとつの設備利用ではない融合的な支援を推進します。